プロローグ

 

ー3月下旬海鳴行き列車内― 

 

「・・・えーと大体12時半ぐらいに着きます。お世話になります。」

一人の男が時刻表で海鳴市へ電車がつく時間を確認しながらケータイで電話をしていた。

「じゃあ恭也たちには宜しく言って下さい。では切ります」

男は電話をし終えると深く座席に腰をかけ、小説を読み始めた。

小説には『ボストンの死神 溝井 智大』と書かれていた。

 

「やはり自分の本を読むのは緊張するな」

男は独り言をポツリとつぶやいた。

そう。彼の名前はこの本の作者である推理作家兼風芽丘学園高校3年生として転向する事になった溝井 智大本人なのである。

彼は他にも顔を持っているらしいがその真相は定かではない。

「飽きた」 

早くも本を読むのを止め寝始めた。

列車は走っていく。----------------------------

 

―海鳴駅12:30―

 

「間も無く海鳴、海鳴」

アナウンスの音で目を覚ました智大は自分が持ってきた荷物を担いで人波の中へと向かって行った。

智大はが人波から抜け出ると見覚えのある顔二つの顔が待っていた。

片方は全身を黒で固めた少年とメガネをかけて小柄な少女であった。

智大が近づいていくと少年が智大を見つけて隣の少女に話しかけた。

「美由希、来たみたいだ。」

「あ、ホントだね。恭ちゃん」

彼らは、智大の幼馴染である高町 恭也、美由希兄妹である。

兄である恭也は御神流という剣術を扱う剣士でありトップレベルの使い手であるが、今は義妹である美由希に御神流を教えている。

智大はゆっくり再会への足取りを踏みしめながら、高町兄妹に寄っていった。 

「うんうん、相変わらずのようで・・・」

「お前だって変わってないじゃないか」

久々に再会を惜しむように軽口を叩き合う男二人。

「智くん、久しぶり」

「そうだな、美由希」

「さて、早速家に行くとするか」

「これからよろしくな。」

「ああ」と無愛想な挨拶をする恭也。

外へと出ると金髪の美女が車の前で手を振っていた。

彼女はフィアッセ・クリステラ。『世紀の歌姫』の娘であり、『光の歌姫』という通り名を持っている歌い手である。

そして、恭也、美由希、智大の幼馴染でもある。

「もー、はやくぅーきょ〜や。美由希」

「分かった、フィアッセ。」

「智大久しぶり〜」

「久しぶり、フィアッセ」

簡単に挨拶を済ませ、フィアッセの愛車に乗り込んで高町家へと向かうのであった。

 

そんな一行を見つめている一人の男・・・

「やっと来たんだね。ワトソン君。」

男はそう呟くと静かに去っていった。

 

智大とこの男が出会う、いや、再会するお話は次回。

 


あとがき

 

はじめましてみなさん。溝井と申します。

はっきりいうとこのお話は探偵ものととらハを組み合わせてみたかった挙句作ったものです。

はじめてのSSなのでおみ苦しいかもしれませんが宜しくお願いします。

 

??「智大、さっさと書きなさいよ」

 

わーったよ

 

それでは失礼します

     

       





金田一みたいに、作家と探偵が知り合いで…。
というような感じなのかな。
美姫 「さあ、どうなのかしらね」
まだ始まったばかりだから、その辺りは追々かな。
美姫 「探偵ものと言う事は、事件が起きるのね」
さてさて、どんな事件が起こるのか。



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